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祭祀について

事情別お墓の建て方

夫婦が別の宗旨・宗派

夫婦で宗旨・宗派が異なる場合、お墓に関して夫婦それぞれが自分の宗旨や宗派にこだわれば、同じお墓では悪い場合があります。
そうした場合のお墓の建て方には次のような二つの方法が考えられます。

1.宗旨・宗派を問わないお墓にする
宗旨・宗派不問の公営または民営の公園墓地なら、問題はありません。供養する場合も、自分の宗旨・宗派での供養を頼むことができます。

2.別々のお墓を建てる
宗旨・宗派不問の公園墓地のほかに、夫婦別々にお墓を建てるという選択肢もあります。
ただし、子供がいて、お墓を承継する場合には複雑なことになります。
これらの方法とはまったく別にどちらかが改修をするという方法も考えられます。

兄弟姉妹でのお墓の共有

亡くなった両親のために、協力してお墓を建てたという場合に、兄弟姉妹が費用を出し合って、共有のお墓を持つことができるでしょう。法律的にはお墓の所有権者は一人には限られません。したがって、費用を出し合った全員で共有のお墓を持つことはできます。

ただし、墓地の管理規則などでは、永代使用権者の名義は、ほとんどの場合、一人とされています。複数の人間が永代使用権を持っていると、お墓の承継などでトラブルが発生することがあり、そうした問題を未然に防ぐというのが理由です。

普通は兄弟姉妹など、複数の人がお墓の所有権を持っていても、まず問題になりません。それは、お墓が相続財産ではないからです。ただ、永代使用権を返却したときに、納めた永代使用料の一部が戻ってくる場合には、それをどのように分けるかでトラブルになる可能性もあります。

そうしたトラブルを未然に防ぐには、契約書のような書類を作成しておくことも、一つの方法です。お墓を取得することは、所有権を取得することではないので、不要になった場合でも、他人に譲渡することはできません。その代わり、永代使用権をお墓の管理者に返還した場合に、永代使用料の一部が戻ってくるシステムになっているお墓もあります。

独身の兄弟姉妹も入りたい

両親とお墓の承継者の家族だけでなく、兄弟姉妹が自分たちも一緒に入りたい場合にはどうすればよいのでしょうか?核家族の多い現代では、お墓の承継者以外の家族は、独立して世帯を持つと、それぞれのお墓を建てることが一般的な傾向になっています。

事情があって、未婚のままでいるつもりの兄弟姉妹なら、一つのお墓を共有し、そこに入ることを希望しても問題はないでしょう。結婚しても子を持たない主義だったり、子供のいない兄弟姉妹の場合も、同様に考えてもよいでしょう。お墓の承継者の家族にとっても、迷惑となることは少ないと思われます。

夫婦共にお墓が欲しい

一人っ子同士が結婚して、どちらにも承継すべきお墓がなく、両親のお墓を建てたい、という場合、どのようなお墓を建てたらよいでしょうか?
次のような二つの方法が考えられます。

1.二人で一つのお墓を建てる
墓石に家名は刻まずに、墓誌を建てて、そこに両方の両親の戒名や俗名などを刻むという方法があります。墓石の刻字は、「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などとしたり、「先祖代々」だけにするなどの方法があります。

これなら、誰がお墓を承継しても、墓石に変更を加える必要はありません。一つのお墓に両方の家名を刻む方法だと、お墓の承継者の姓が変わった場合、墓石を刻み直さなくてはなりません。

2.両家のお墓を並べて建てる
墓地内の同じ区画に、両家のお墓を並べて建てて、片方のお墓の承継者が、両方のお墓の維持や供養を行ってゆくことになります。
但し墓地によっては、できない場合もあります。

使用権者の名義

例えば都営霊園では、申し込みの資格は「申込遺骨から見て親族であり、その遺骨の祭祀の主宰者である方」とされています。「遺骨の祭祀の主宰者」とは、葬儀の喪主や法事の施主を務めたり、現在その遺骨を守り、将来にわたっても遺骨とお墓を守り、管理してゆく人を指します。

遺骨の祭祀の主宰者を決めるには、遺骨となった人の親族の合意も必要です。
実際には、葬儀の喪主の名前の明記されている、葬儀時の会葬御礼の通知や葬儀費用にかかわる領収書などが相当します。

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